自動車の盗難被害は車両保険で補償される?盗難後の手続きの流れについてもわかりやすく解説

2024年11月13日

自動車が盗難被害にあった場合、加入している自動車保険の車両保険による補償が受けられることがほとんどですが、いくつか注意点があります。
本記事では、自動車本体が盗まれた時に車両保険による補償が受けられる場合の補償額や、一連のお手続きの流れ、保険金受け取り後に盗難車が発見された場合の選択肢について解説します。

自動車の盗難は車両保険で補償される

自動車保険の補償の一つである車両保険には、一般的に、「一般型(一般条件)」と「限定型(エコノミー)」の2種類があります。イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)では、自動車の盗難被害はどちらのタイプでも補償対象に含まれています。
盗難にあった場合、基本的には契約時に設定した車両保険金額の全額が支払われます。

なお、保険金の支払いには盗難届の受理番号が必要なため警察に連絡しましょう。保険金が支払われるまでには保険会社による調査期間も必要です。

また、自動車の盗難で車両保険の保険金を請求すると、翌年度の等級が1等級ダウンし、事故有係数適用期間が1年加算されるため、保険料が高くなる点は注意が必要です。

盗難被害後の保険金支払いまでの流れ

自動車の盗難被害後、保険会社から保険金が支払われるまでの一連のお手続きの流れは、以下の通りです。

盗難被害後に保険金が支払われるまでの一連の流れ

  1. 警察へ盗難届を提出
  2. 保険会社へ連絡
  3. 保険会社による調査
  4. 必要書類の提出
  5. 保険金のお支払い

それぞれ解説します。

警察へ盗難届を提出

自動車の盗難被害が発覚した後は、盗難があった場所を管轄する警察署や最寄りの交番へ、速やかに盗難被害届けを提出 してください。
盗難被害届けを提出するとその後の保険会社での調査や手続きなどに必要となる受理番号が発行されるので、必ず控えておきましょう。

保険会社へ連絡

受理番号の発行後に、自動車の盗難被害にあったことを保険会社に連絡します。 保険会社によって、状況のヒアリングが行われます。
その後の流れについて不安があれば、このときに確認しておきましょう。

保険会社による調査

連絡後は保険会社による調査が行われます。
調査員が盗難の実態や被害状況を確認する調査です。調査に要する期間は1~2ヶ月程度となるケースが多いようです。

必要書類の提出

調査が終了したら、保険会社からの案内にしたがって必要書類を提出します。

保険金のお支払い

保険金を受け取ってお手続きは終了です。なお、保険金を受け取ると自動車の所有権は保険会社に移ります。

保険金受け取り後に盗難車が発見された場合

保険金受け取り後に盗難車が発見された場合、その自動車の所有権は保険会社に移ります。ただし発見された自動車の返還を受ける方法もあります。

保険金受け取り後は自動車の所有権が保険会社に移る

基本的に、自動車が盗難にあった場合は全損扱いです。全損とは、盗難のほか、自動車を修理できない、あるいは車両保険金額を修理費が上回る状態をいいます。
自動車が盗難被害にあって全損扱いで車両保険金を受け取った場合、原則としてその自動車の所有権は保険会社に移転します。保険会社に所有権が移転した後は、自動車が発見されたとしても保険会社が自由に発見された自動車を処分したり使用したりできます。

保険金受け取り後一定期間内なら発見された自動車の返還を受けられる

保険金受け取り後、一定期間内に盗難車が発見された場合、受け取った保険金全額を保険会社に払い戻すことで発見された自動車を返還してもらうことも可能です。
自動車保険の約款に記載があるので、万一盗難被害にあった際は、保険会社の約款をご確認ください。

&eでは、保険金を支払った日の翌日から起算して60日以内にご契約のお車が発見された場合、保険金を払い戻すことで発見された自動車の返還を受けられます。

自動車の盗難防止におすすめの方法

そもそも、盗難被害にあわないための対策を講じることも大切です。
自動車の盗難防止に役立つ方法についても事前に確認しておきましょう。

自動車の盗難防止におすすめの方法

  • 自動車を確実に施錠する
  • イモビライザー(電子キー)を装備する
  • 盗難防止装置を活用する(センサー、ホイールロックやハンドルロック、自動録画など)
  • 防犯カメラや照明などの防犯設備が整った駐車場を利用する

近年の自動車盗難ではさまざまな手口が横行し、巧妙化しています。
いつどこで愛車が狙われるかは予測ができません。自動車を盗難被害から守るためにも、複数の対策を講じて盗難防止に取り組みましょう。

まとめ

自動車の盗難被害は、車両保険による補償が受けられることがほとんどです。
盗難被害にあった場合、保険会社による調査後、契約時に設定した車両保険金額の全額が支払われるケースが一般的です。

盗難被害によって全損扱いで保険金を受け取った後に盗難車が発見された場合、原則としてその自動車の所有権は保険会社に移転しています。ただし、保険金の受け取りから一定期間内に盗難車が発見され保険金全額を保険会社に払い戻せば、発見された自動車を返還してもらうことも可能です。

また、そもそも盗難被害にあわないための対策を講じておくことも大切です。盗難被害から愛車を守るためにも、複数の対策を講じたうえで、自動車保険で万全の備えを用意しておきましょう。

監修:新井 智美

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員