自動車保険の保険料は70歳以上になると高くなる?理由や節約のポイントを解説
2025年4月7日

70歳以上の方は年金を主な収入として生活している方が多く、自動車保険の保険料などの固定費の負担はなるべく抑えたいものです。
しかし、一般的に70歳以上の方は事故のリスクが高いため、自動車保険の保険料が高くなる傾向があります。
本記事では、高齢になると自動車保険の保険料が高くなる理由、保険料と年齢の関係を解説します。また、補償内容を充実させながら保険料を抑えるためのポイントについてもご紹介します。
自動車保険の保険料は70歳以上になると高くなる?

一般的に、70歳以上になると自動車保険の保険料は高くなる傾向があります。その理由は、高齢になるほど高くなる事故率が保険料に反映されるからです。
高齢運転者の運転の実態
警察庁によると、2024年上半期の高齢運転者(75歳以上)による交通死亡事故件数(免許保有者10万人あたり)は2.3件であり、75歳未満の運転者(1.2件)の約2倍でした。
事故の要因を見ると、高齢運転者は75歳未満の運転者と比べて「操作不適」(ブレーキとアクセルの踏み間違い、ハンドルの操作ミスなど)による事故の割合が多くなっています。
人的要因 | 75歳以上の | 運転者75歳未満の | 運転者
---|---|---|
内在的前方不注意 (漫然運転など) |
11.2% | 25.8% |
外在的前方不注意 (脇見など) |
11.2% | 18.7% |
安全不確認 | 20.5% | 27.9% |
判断の誤り | 8.7% | 9.7% |
操作不適 | 34.2% | 11.5% |
出典:警察庁「令和6年上半期における交通死亡事故の発生状況」
また、2023年に全国の高速道路で発生した「逆走」は224件にのぼり、その約7割が65歳以上の運転者によるものであることも公表されています※1。
国土交通省「Ⅱ.高速道路の逆走発生状況について」
高齢になると事故を起こしやすくなる理由
年齢を重ねても、これまでの経験から「運転に自信がある」と考えている高齢運転者は少なくありません。しかし、どれだけ運転に慣れていても、加齢による身体能力などの低下は、運転に大きな影響を与えます。
加齢による影響の例
- 視力が低下する
- 視野が狭くなる
- ブレーキやアクセルを踏む筋力が低下する
- 関節可動域が狭くなり左右後方の目視確認がしにくくなる
- とっさの反射機能が鈍くなる
- 記憶力の低下で操作を間違える
現時点で問題なく運転できていてもお車なしで生活できる方や、運転に少しでも不安を感じる方は、運転免許証を自主返納することも一つの選択肢に入れてみましょう。
70歳以上の運転免許保有者は、運転免許証の更新時に「高齢者講習」を受講しなければならないことを踏まえると、70歳ごろが免許返納を考える一つの目安といえるでしょう。
自動車保険の保険料と年齢の関係

自動車保険では、さまざまな要素からリスクに見合った保険料が算出されます。その要素の一つが「主に運転される方の年齢」です。
自動車事故のリスクは、40代まで年齢が上がるにつれて下がっていきます。50代以降は再び上昇に転じ、年齢が上がるにつれて事故のリスクは高くなっていきます※2。このような年齢によるリスクの違いを保険料に反映し、主に運転される方の年齢によって保険料に差をつけることで、契約者間の公平性を保っているのです。
警察庁交通局「令和5年中の交通事故の発生状況」
70歳以上の方が補償内容を充実させながら保険料を抑えるポイント

前述の通り、年齢を重ねるとともに身体能力などが低下し、事故のリスクが高まります。そのため、ご自身にとって必要な補償を十分に検討することが大切です。
70歳以上の方が備えたい補償のひとつとして、車両保険が挙げられます。
「車両保険」は、ご契約のお車に損害が生じた場合に、修理費などを補償する保険です。
お車が損害を受けた際の修理費は高額になることがあり、また全損となった場合には買い替えが必要になることもあります。車両保険に加入していれば、その費用に充てることができます。
イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)では、補償範囲が広い「一般タイプ」と、補償範囲が限定された「限定タイプ」の2種類があります。
限定タイプは一般タイプと比べて保険料が安くなりますが、「単独事故(電柱との衝突など)」の場合は補償されません。高齢になると、ブレーキとアクセルの踏み間違いやハンドルの操作ミスなどのリスクが高まるため、補償範囲の広い「一般タイプ」を付帯するとより安心できます。
&eの車両保険について詳しくは、こちらをご覧ください。
なお、補償内容を充実させると保険料が高くなってしまいますが、以下のようなポイントに留意することで保険料を抑えられることがあります。
- ネット自動車保険を検討する
- 保険会社の各種割引を利用する
- 支払い方法として一括払を選ぶ
- 補償される運転者の範囲を見直す
- 軽自動車を選ぶ
ネット自動車保険を検討する
自動車保険には、大きく分けると「代理店型自動車保険」と「ネット自動車保険(ダイレクト型自動車保険、通販型自動車保険)」の2種類があります。
代理店型自動車保険は代理店の担当者と対面で相談できるというメリットがありますが、保険会社とお客さまの間に代理店を介することで、仲介コストがかかり、その分保険料が高くなる傾向があります。
一方、ネット自動車保険はお客さまと保険会社で直接のやり取りを行うため、代理店の仲介コストが圧縮されて代理店型よりも安価な保険料で自動車保険に加入できます。
また、必要な補償をご自身で選ぶ必要がありますが、ご自身のペースでじっくりと比較・検討でき、補償内容についてしっかりと納得したうえで申し込めることも特徴の一つです。
インターネットでのお手続きに不安を感じる方は、ネット自動車保険の中でも加入時のサポートが手厚い保険会社を選びましょう。&eでは、加入手続き時の電話によるサポートを行っています。見積もりや申し込みの際にご不明な点があれば、問い合わせて確認、相談することができます。
保険会社の各種割引を利用する
各保険会社では、自動車保険に適用される各種割引を用意しています。
例えば、&eでは以下の割引が用意されています。
&eの各種割引
- インターネット割引
- 新車割引
- ASV(自動ブレーキ)割引
- セカンドカー割引
- 紹介割引
これらの割引を利用することで、自動車保険の保険料を節約できる可能性があります。
それぞれの適用条件をご確認のうえ、利用可能な割引がある場合は積極的に活用しましょう。
支払い方法として一括払を選ぶ
自動車保険の保険料の支払い方法は、一般的に月払(分割払)と一括払の2種類があります。
月払(分割払)のほうが1回あたりの保険料負担を軽くできますが、一度の支払いごとに手数料が上乗せされています。
一方の一括払は、契約分の保険料をまとめて支払うため、支払うタイミングでの負担は大きくなります。しかし、月払(分割払)のように上乗せされる手数料はないため、保険料のお支払い総額は一括払のほうが安くなります。
保険料を月払(分割払)で支払っている方は、一括払に変更したほうが総額での保険料負担を軽減できます。手元資金に余裕がある方は、一括払を検討してみましょう。
月払(分割払)と一括払については、こちらのコラムも参考にしてください。
自動車保険料は月払できる!一括払とどちらがおトク?補償される運転者の範囲を見直す
補償される運転者の範囲が現在のご自身の状況に合っているかどうかを確認しましょう。補償される運転者の範囲は、「運転者限定」や「運転者年齢条件」の設定によって決まります。
例えば、子どもや孫が独立して運転しなくなった場合や、配偶者が免許を返納して運転者がご自身のみになった場合、運転者限定や運転者年齢条件の区分を変更することで保険料を抑えられる可能性があります。
補償される運転者の範囲を見直す方法については、詳しくはこちらをご確認ください。
補償される運転者の範囲を見直して節約軽自動車を選ぶ
選ぶお車によっても異なりますが、軽自動車は普通自動車と比べて保険料が安い傾向があります。軽自動車に乗り換えると、車両価格や保険料以外の維持費も抑えられる可能性があります。
まとめ

一般的に、70歳以上の方は事故のリスクが高いため、自動車保険の保険料が高くなる傾向があります。自動車保険では、事故のリスクに応じた保険料を設定することで、契約者間の公平性を確保しているためです。
ご自身の状況に合わせて適切な支払い方法や補償される運転者の範囲を設定することで、保険料を節約できる可能性があります。代理店型自動車保険に加入している方は、ネット自動車保険への乗り換えも選択肢の一つです。
&eは、代理店を介さないネット自動車保険です。東京海上グループの事故対応品質はそのままに、リーズナブルな保険料を実現しています。お電話での相談も受け付けているため、お見積もりやお申し込みの際にご不明な点があれば問い合わせることができます。
高齢になると身体能力などが低下し、安全運転を心がけているつもりでも事故につながってしまうケースがあります。自動車保険を見直す際は、保険料の安さだけでなく、補償内容が十分かどうかもしっかり検討しましょう。

監修:竹国 弘城
1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。
資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)