自動車保険のノンフリート等級別料率制度とは?ルールや保険料への影響を解説

2024年10月25日

自動車保険の等級制度(ノンフリート等級別料率制度)とは、前契約の有無や、前契約の事故の件数・種類などにより、次契約に適用する等級(1~20等級)と割増引率が決定され、保険料を割引・割増する制度です。しっかりとルールを把握しておきましょう。

本記事では、ノンフリート等級別料率制度についてわかりやすくまとめました。また、等級を引き継げるケースと引き継げないケースについても解説します。

自動車保険のノンフリート等級別料率制度とは?

ノンフリート等級別料率制度とは、前契約の有無や、前契約の事故の件数・種類などにより、次契約に適用する等級(1~20等級)と割増引率が決定され、保険料を割引・割増する制度です。なお、20等級が最も保険料が安くなります。
一般的に、どの保険会社の自動車保険でもこの等級制度を導入しています(一部の共済を除く)。

また、同じ等級でも「無事故」と「事故有」の割増引率があり、「事故有」のほうが「無事故」に比べて保険料が高くなります。

初めて自動車保険を契約する場合

初めて自動車保険を契約するときは、原則として6等級からスタートします。ただし、2台目以降のお車で、セカンドカー割引の適用条件を満たした場合は、7等級からのスタートです。

保険会社によっては、6(A)のように等級に続いてアルファベットが記載されていることがあります。アルファベットの意味は保険会社によって異なります。

イーデザイン損保の&e(アンディー)では、等級に続くアルファベットは運転者年齢条件を意味します。年齢問わず補償する場合は6A(セカンドカー割引が適用される場合は7A)、21歳以上補償では6B(同7B)、26歳以上補償は6C(同7C)、30歳以上補償は6E(同7E)です。

保険期間中に自動車事故がなかった場合

1年間無事故なら、翌年の等級は1等級上がります。また、事故を起こしても保険金を請求しなかった場合は、翌年の等級は1等級上がります。そのため、事故による損害が少ないときは、保険金を請求しないで等級を上げるほうが出費を抑えられるかもしれません。

保険期間中に自動車事故があった場合

事故にあって保険金を請求した場合には翌年の等級が下がります。等級の下がり方は事故の種類(「3等級ダウン事故」「1等級ダウン事故」「ノーカウント事故」)によって異なります。
&eの場合を参考に、それぞれの事故例を見ていきましょう。

ノーカウント事故の例

「ノーカウント事故」にあって保険金を請求しても、翌年の等級・事故有係数適用期間の算出においては、事故がなかったものとして取り扱います。

(例)

乗車中の事故でケガをし、
人身傷害を請求した
もらい事故にあい、
弁護士特約を請求した

1等級ダウン事故の例

「1等級ダウン事故」にあって保険金を請求すると、事故1件につき、翌年の等級は1つ下がり、事故有係数適用期間は1年加算されます。

(例)

飛び石でフロントガラスが割れて、
車両保険を請求した
台風で車が横転して、
車両保険を請求した

お車の損害によっては、保険金を請求しない方が出費を抑えられることがあります。

3等級ダウン事故の例

「3等級ダウン事故」にあって保険金を請求すると、事故1件につき、翌年の等級は3つ下がり、事故有係数適用期間は3年加算されます。

(例)

他の車に衝突して、
車両保険を請求した
電柱に衝突して、
対物賠償を請求した

それぞれの事故の種類について、詳しくは「等級制度ガイド 事故の種類について」をご覧ください。

自動車保険の事故有係数適用期間とは?

ノンフリート等級別料率制度では、同じ等級でも「無事故」と「事故有」の割増引率があり、「事故有」のほうが「無事故」に比べて保険料が高くなります。この「事故有」の割増引率が適用される期間を「事故有係数適用期間」といいます。事故有係数適用期間は0年から6年まであり、0年の場合は「無事故」の割増引率、1~6年の場合は「事故有」の割増引率を適用します。

事故にあって保険金を請求した場合、翌年の等級が下がります。さらに、事故有係数適用期間は加算され、「事故有」の割増引率が適用されます。同じ等級であっても「事故有」と「無事故」では、保険料の割増引率が異なり、「事故有」のほうが保険料が高くなります。

3等級下がる事故を起こしたときの翌年の事故有係数適用期間は事故1件につき3年加算されます。
例えば、現在の等級が13等級・事故有係数適用期間が0年で、3等級ダウン事故が1件あった場合、翌年の等級は3等級下がります。また、翌年の事故有係数適用期間は3年となり、「事故有」の割増引率が適用されます。
事故有係数適用期間は1年経過するごとに1年減りますので、等級ダウン事故がなく3年経過すると、4年後に事故有係数適用期間は「0年」となり、「無事故」の割増引率が適用されます。

一方、1等級下がる事故を起こしたときの翌年の事故有係数適用期間は事故1件につき1年加算されます。
現在の等級が13等級・事故有係数適用期間が0年で1等級ダウン事故が1件あった場合、翌年の等級は1等級下がります。また、翌年の事故有係数適用期間は1年となり、「事故有」の割増引率が適用されます。
事故有係数適用期間は1年経過するごとに1年減りますので、等級ダウン事故がなく1年経過すると、2年後に事故有係数適用期間は「0年」となり、「無事故」の割増引率が適用されます。

自動車保険の等級を引き継げるケース、引き継げないケース

ノンフリート等級別料率制度は、自動車保険を扱うすべての保険会社(一部の共済は除く)に共通した制度です。異なる保険会社であっても、条件を満たせば等級の引き継ぎが可能です。

等級を引き継げるケース

等級を引き継げる主なケースを紹介します。

保険会社を変えたとき

保険会社を変えたときは、契約満了日もしくは解約日から7日以内であれば異なる保険会社・共済組合でも等級を引き継げます。ただし、保険金を請求した場合は、等級ダウンや事故有係数適用期間が反映された状態で引き継ぎます。

お車を買い替えたとき

お車を買い替えたときは、所定の条件を満たす場合、車両入替の手続きを行うことでご契約のお車を変更することができます。この場合も、これまでの等級を引き継ぐことができます。
なお、車両入替を行わず、新たに自動車保険の契約をすると6等級からのスタートになってしまうので注意が必要です。

主に運転される方を変更するとき

主に運転される方を配偶者や同居の親族に変更するときも、自動車保険の等級を引き継げます。

等級を引き継げないケース

自動車保険の等級は、いつでも引き継げるわけではありません。等級を引き継げない主なケースについて紹介します。

すでに所有している車同士であるとき

すでに所有している車同士で等級を入れ替えることはできません。

自動車保険満期日から8日以上が過ぎたとき

自動車保険満期日から8日以上が過ぎると、自動車保険の等級を引き継げません。現在適用されている等級を引き継ぎたいときは、早めに自動車保険の契約のお手続きをしましょう。
なお、新契約に適用する等級が1~5等級の場合や事故有係数適用期間が1~6年の場合は引き継ぐケースがあります。

お車を一時的に手放すときや、お車が盗難にあい次にいつ購入するか決めていないときは、そのまま自動車保険を解約するのではなく、「中断証明書」を発行してもらいましょう。中断証明書があると、お車を新たに取得した場合などに、自動車保険の満期日から8日以上が過ぎたあとでも等級を引き継げるようになります。

ただし、中断証明書を取得する条件や再開後に等級を引き継ぐ条件は、保険会社によって異なります。解約する前に加入中の保険会社に確認しておきましょう。

保険会社から契約を解除されたとき

保険料の未払いなどで保険会社から自動車保険契約を解除されたときは、別の保険会社であっても7等級以上の等級は引き継げません。

また、契約を解除されたあとに事故にあうと、自動車保険が利用できません。必要なときに自動車保険を使用するためにも、保険料は忘れずに支払うことが大切です。

安全運転を心がけよう

自動車保険のノンフリート等級別料率制度では、20等級に近づくほど保険料の割引率が高くなります。保険料の負担を軽減するためにも、安全運転を心がけ、一つずつ等級を上げていきましょう。

イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)は、ネット自動車保険ならではのリーズナブルな保険料が特長です。一人ひとりのリスクにあわせて保険料を算出するため、走行距離が短い方はより低い保険料が適用されます。自動車保険の保険料が気になる方は、ぜひお見積もりをしてみてください。

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監修:新井 智美

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員