結婚したら、自動車保険を見直そう
2024年3月8日
結婚すると、2人の家計を一つにするために見直すべきことがたくさんあります。その中で、つい見落としがちなのが自動車保険の見直しです。適切な内容にしておかないと、事故を起こしても保険金が受け取れなかったり、必要以上に保険料を払うことになったりします。今回は、結婚したら見直すべき自動車保険のポイントをご紹介します。
改姓手続きをしよう
運転免許証やパスポート、生命保険などと同様に、自動車保険も結婚して姓が変われば、改姓手続きが必要です。お手続きの際は、加入している保険会社のコールセンターや代理店に連絡しましょう。ネット自動車保険の場合は、Webサイト上でお手続きが完了できることもあります。
また、結婚を機に片方が車を手放して自動車保険を解約する場合は、家族間で等級を引き継げる可能性があります。例えば、手放す車の契約の等級が残す車の等級よりも高かった場合、残す車に高い等級を引き継ぐことができます。あわせて、解約する自動車保険については、将来もう一度車を所有して自動車保険に加入する際に備えて「中断証明書」を発行しておきましょう。中断証明書を発行しておけば、新たなご契約の際に中断前に適用されていた等級などを引き継いで再開できます。
「補償される運転者の範囲」を見直そう
結婚時に気をつけたいのが「補償される運転者の範囲」です。例えばイーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)では、運転者限定や運転者年齢条件の設定が可能ですが、これにより「補償される運転者の範囲」を限定している場合は見直しが必要となることがあります。
結婚するまでは、運転者を「本人限定」にしていた人でも、配偶者が運転する可能性があれば、「夫婦限定」に変更する必要があります。また、その際は「運転者年齢条件」もあわせて見直しましょう。例えば、本人が33歳で配偶者が28歳のケースで、配偶者も運転をする場合、「30歳以上補償」から「26歳以上補償」に年齢条件を変更する必要があります。
年齢条件については以下のコラムもご覧ください。
年齢で自動車保険料は変わる!? 年齢条件変更のタイミングはいつ?
「保険金額」を見直そう
「対人賠償」「対物賠償」などの相手方への補償については、結婚前後にかかわらず保険金額を無制限にしておくのがよいでしょう。
「人身傷害」などご自身のケガの補償(乗車中の方も補償)については、ご自身の年齢や収入、家族構成の変化などに応じて、保険金額を見直す必要があります。
自動車保険は加入していれば安心、と保険金額をあまり意識しない人が多いようです。結婚を機に、大切な家族を守れるよう各補償を見直して、適切な保険金額を設定しましょう。
&eの「人身傷害」の保険金額を見直す場合は、補償の対象となる方の年齢や収入、ご家族の構成などに応じて、下表の「年齢別の損害額の目安」を参考にしてください。
年齢別の損害額の目安
有職者(75歳以上を除きます)の平均的な損害額(法定利率が3%の場合)です。
年齢 | 被扶養者の有無 | 死亡された場合 |
---|---|---|
25歳 | あり | 1億円 |
なし | 8,000万円 | |
35歳 | あり | 9,000万円 |
なし | 7,000万円 | |
45歳 | あり | 8,000万円 |
なし | 7,000万円 | |
55歳 | あり | 7,000万円 |
なし | 5,000万円 | |
65歳 | あり | 5,000万円 |
なし | 4,000万円 | |
75歳〜 | あり | 3,000万円 |
なし | 3,000万円 |
補償が重複していないか確認しよう
「人身傷害」「ファミリーバイク特約」「個人賠償特約」「弁護士特約」について、補償内容が同様の保険契約が他にある場合、補償が重複することがあります。結婚を機に家族で複数の車を所有することになる人は、補償内容が重複していないか確認しましょう。&eでの例を見てみましょう。
- 人身傷害
「人身傷害」には、他の車に乗車中や歩行中の自動車事故でのケガも補償する「車内・車外ともに補償」タイプと、契約している車に乗車中の事故のみ補償する「車内のみ補償」タイプの2種類があります。他の車に乗車中や歩行中の自動車事故の補償は1台目の契約でカバーできるため、2台目以降の契約は「車内のみ補償」にすることで補償の重複がなくなり、保険料の節約になります。
- 1台目のお車の自動車保険を解約したときや、同居から別居への変更により補償の対象となる方が変更になったときなどは、歩行中の事故などへの補償がなくなることがありますのでご注意ください。
- 1台目と2台目の保険金額がいずれも「無制限」でない場合、2つの保険金額の合計額を限度に保険金をお支払いします。合計額までの補償をご希望の場合は「人身傷害保険(車内のみ補償)」に変更せずにご契約ください。
- ファミリーバイク特約
補償の対象となる方が所有・使用・管理する原動機付自転車に乗車中に事故にあった場合に相手方への賠償などの損害を補償するファミリーバイク特約も、2台目のお車の補償内容を「ファミリーバイク特約なし」に変更することで補償の重複がなくなり、保険料を節約できます。
- 1台目のお車の自動車保険を解約したときや、同居から別居への変更により補償の対象となる方が変更になったときなどは、原動機付自転車を運転中の事故などの補償がなくなることがありますのでご注意ください。
- 1台目と2台目の保険金額がいずれも「無制限」でない場合、2つの保険金額の合計額を限度に保険金をお支払いします。合計額までの補償をご希望の場合は「ファミリーバイク特約なし」に変更せずにご契約ください。
- 個人賠償特約
補償の対象となる方が、日常生活の事故により、他人を死傷させたり他人の財物を壊したりした場合の損害を補償する個人賠償特約も、2台目のお車の補償内容を「個人賠償特約なし」に変更することで補償の重複がなくなり、保険料を節約できます。
- 1台目のお車の自動車保険を解約したときや、同居から別居への変更により補償の対象となる方が変更になったときなどは、日常生活の事故により、他人を死傷させたり他人の財物を壊したりした場合の補償がなくなることがありますのでご注意ください。
- 1台目と2台目の保険金額がいずれも「無制限」でない場合、2つの保険金額の合計額を限度に保険金をお支払いします。合計額までの補償をご希望の場合は「個人賠償特約なし」に変更せずにご契約ください。
- 弁護士特約
自動車事故により、補償の対象となる方が死傷されたり、物を壊されたりした場合に相手方へ損害賠償を請求するために必要となる弁護士への報酬などを補償する弁護士特約も、2台目のお車の補償内容を「弁護士特約なし」に変更することで、補償の重複がなくなり、保険料を節約できます。
- 1台目のお車の自動車保険を解約したときや、同居から別居への変更により補償の対象となる方が変更になったときなどは、弁護士特約の補償がなくなることがありますのでご注意ください。
- 1台目と2台目の保険金額がいずれも「無制限」でない場合、2つの保険金額の合計額を限度に保険金をお支払いします。合計額までの補償をご希望の場合は「弁護士特約なし」に変更せずにご契約ください。
補償内容が重複する部分は見落としがちです。家族で2台以上の車を所有する場合は、それぞれの自動車保険の補償内容を確認しましょう。
実家の自動車保険も見直そう
結婚時には、夫婦の自動車保険だけではなく実家の親の自動車保険も見直す必要がないか確認しましょう。親の自動車保険の運転者限定を「家族限定」にしている場合は見直しが必要なときがあります。
「家族限定」で補償される「家族」の対象は以下のとおりです。
- 主に運転される方(記名被保険者)
- (1)の配偶者
- (1)または(2)と同居している親族
- (1)または(2)と別居している未婚の子
進学や就職などで実家と別の住所に住み、帰省したときに実家の車を運転していた方も、「別居の未婚の子」として「家族限定」で補償される「家族」の対象です。しかし、結婚すると「未婚の子」ではなくなるので「家族」から外れます。
この場合、結婚後も時々帰省して親の車を運転する機会がある場合は、親の自動車保険を「限定なし」に変更する必要があります。
家庭の年間収支は、通信費・保険料など毎月の「固定費」をどうするかで大きく変わってきます。長期的なライフプランをふまえ、自動車保険もしっかり見直しましょう。
監修:新井 智美
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。
資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員