自動車保険と自動車共済は何が違う?等級制度や引き継ぎについても解説
2024年11月26日
自動車保険と自動車共済はどちらも自動車の事故に備えるためのものです。しかし双方には違いがあり、例えば自動車保険の等級制度(ノンフリート等級別料率制度)は1~20等級に分かれていますが、一部の自動車共済では1~22等級に分かれています。
本記事では、自動車保険と自動車共済は何が違うのかについてわかりやすくまとめました。また、自動車保険・共済間での乗り換え時の注意点についても説明します。
自動車保険と自動車共済の違い
自動車保険も自動車共済も、自動車の衝突や接触により受けた損害などを補償する商品です。しかし、自動車保険と自動車共済は同じものではありません。それぞれの違いについて解説します。
仕組みと目的の違い
自動車保険には自賠責保険と任意保険の2種類がありますが、ここでは自動車保険=任意保険として解説します。
自動車保険は、営利団体である民間保険会社による保険です。営利目的で運営されているため、利益を加味して保険料が設定されます。
一方、自動車共済は相互扶助を目的とした組合が運営しています。営利目的ではない点も、自動車共済の特長です。
また、自動車保険は保険業法を根拠法としますが、自動車共済は団体によって根拠法が異なります。しかし、相互扶助を目的としていることは、すべての自動車共済に共通しています。
加入手続きの違い
自動車共済に加入するには出資金を出して組合員になる必要があります。最低出資額は団体によって異なりますが、1,000~10,000円程度が相場です。
一方、自動車保険の加入に出資金は必要ありません。
用語の違い
契約に関わる用語も、自動車保険と自動車共済では異なります。
自動車保険 | 自動車共済 |
---|---|
保険料 | 掛金 |
保険金 | 共済金 |
契約者 | 加入者 |
保険証券 | 共済証書、 | 共済契約証書
等級制度の違い
自動車保険には等級制度(ノンフリート等級別料率制度)があり、自動車共済においても基本的に同様の制度が採用されています。自動車保険では1~20等級の20段階、自動車共済では1~20等級の20段階、もしくは1~22等級の22段階に分かれています。
なお、6等級(セカンドカー割引が適用されると7等級)から始まり、事故の有無によって翌年の等級が決まる点は同じです。
セーフティネットの違い
自動車共済のなかには、セーフティネットがない共済もあるようです。
自動車保険の場合、保険会社が万一破綻したとしても損害保険契約者保護機構によって契約者は保護され、一定割合の保険金が支払われます。一方、セーフティネットのない自動車共済の場合、経営破綻時に掛金や出資金が戻ってこないこともあります。
自動車保険・共済間での乗り換え時の注意点
自動車共済への加入を検討するときには、等級制度についても確認しておきましょう。注意したいポイントを紹介します。
等級を引き継げないケースがある
自動車保険と自動車共済間において、等級の引き継ぎは可能です。
しかし、自動車共済によっては自動車保険の等級を引き継げない場合があります。共済への加入を検討するときはあらかじめ等級の引き継ぎが可能か自動車共済に確認しておきましょう。
自動車共済から自動車保険に乗り換える場合にも、自動車共済によっては等級を引き継げない場合があります。
イーデザイン損保で等級を引き継げる自動車共済は以下の通りです。教職員共済(教職員共済生活協同組合)や全労済協会(全国勤労者福祉・共済振興協会)などは引き継ぎの対象外です。
イーデザイン損保で等級を引き継げる自動車共済
- JA共済(全国共済農業協同組合連合会)
- 全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)
- 全自共(全国自動車共済協同組合連合会)
- 日火連(全日本火災共済協同組合連合会)※
旧中小企業共済(全国中小企業共済協同組合連合会)を含みます。
ご自身に合う自動車保険・自動車共済を選ぼう
自動車共済を検討するときには、セーフティネットの有無や自動車保険との等級の引き継ぎなど確認すべき点があります。ご自身が希望する形で加入できるのは自動車保険と自動車共済どちらなのか、確認しておきましょう。いくつかの自動車保険や自動車共済と比較すると、よりご自身に合う保険・共済を見つけやすくなります。
イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)は、ネット自動車保険ならではのリーズナブルな保険料が特長です。保険料や掛け金の負担を抑えたい方は、ぜひお見積もりをしてみてください。
監修:金子 賢司
立教大学法学部卒業後、食品卸大手三菱食品株式会社に10年間勤務。業務中に事故にあい、企業の社会保険に興味を持ったことを機にFP資格を取得。現在は独立系FPとして、個人相談、金融関係コラムの執筆、NISAやiDeCo、企業型確定拠出年金のセミナーを中心に活動している。
資格情報: CFP®