2月14日は自動車保険の日!歴史について解説
2024年12月16日
2月14日は自動車保険の日です。1914年2月14日に東京海上保険会社(現:東京海上日動火災保険株式会社)が、日本初の自動車保険の営業認可を取得したことから記念日として制定されました。自動車保険に興味をお持ちの方なら、なぜ自動車保険が誕生したのか、また、どのように自動車保険の補償内容が決まっていったのか気になるのではないでしょうか。
本記事では、自動車保険の歴史をご紹介します。ぜひご覧になり、自動車保険についての理解を深める参考にしてください。
自動車保険の歴史
自動車保険は19世紀末にイギリスで誕生し、20世紀の初期には日本でも利用できるようになりました。自動車保険の歴史について見ていきましょう。
1896年、イギリスで世界初の自動車保険が誕生
18世紀に蒸気で動く自動車が、19世紀末にはガソリンで動く自動車が誕生しました。現在のガソリン自動車の原型が完成したのは1886年といわれています。
イギリスでは、自動車が走るときには旗振り人が旗を振り、周囲の人々に注意を促していました。しかし、1896年には旗振り人なしに自動車が公道を走ることが許され、自動車を利用する人にとっては便利な世の中になったものの、事故が起こる可能性は高まりました。
そこで誕生したのが自動車保険です。同年、イギリスのロー・アクシデント保険が自動車保険を商品化し、翌1897年には、アメリカのトラベラーズ保険も自動車保険を取り扱い始めました。自動車保険は事故被害者への賠償責任と人命尊重の意識の高まりとともに、発展した保険でもあります。
また、自動車保険には財産を守る役割もあります。自動車は現在でも高価な財産の一つですが、19世紀末から20世紀初にかけての自動車黎明期では、イギリスでは上流階級しか持てない高価かつ貴重な財産でした。自動車保険に契約することで万一のときの損失を減らしたいと願うのは、自然な流れといえるでしょう。
1914年、日本初の自動車保険が誕生
1914年2月14日、東京海上保険会社(現:東京海上日動火災保険株式会社)が、日本初の自動車保険の営業認可を取得しました。当時、日本に走る自動車はわずか1,000台ほどでしたが、イギリスやアメリカなどで急速に台数が増えていたことから、日本も同様に近い将来車社会になるのは容易に予想できることでした。
なお、東京海上保険会社は、元々は船舶の海上保険を請け負っていた会社です。そのため、自動車保険は「ノンマリン保険」とも呼ばれ、海上保険以外の運送保険や火災保険と同じカテゴリーとして扱われていました。
1955年、自動車損害賠償保障法の制定、自動車損害賠償責任保険の誕生
日本に自動車保険が誕生した当初、メインの内容は車両に対する補償(車両保険)でした。これは自動車が極めて高価であったこと、そして、人身事故損害賠償額が極めて低かったことが関係しています。
しかし、自動車が手に届きやすい価格になるにつれ、台数が増えて自動車事故も増え、被害者救済の必要性も高まっていきます。1955年、自動車損害賠償保障法が制定され、自動車事故の被害者救済に対する政府の方針が明確に示されました。
自動車損害賠償保障法では次の3つを基本指針とし、被害者救済を図っています。
- 民法の不法行為責任制度の特則として、運行供用者責任制度を創設
- 加害者無資力リスクの低減を目的とし、自賠責保険の付帯を強制化
- 被害者救済を目的とした政府保障事業
同年、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)が誕生しました。自賠責保険はすべての自動車所有者に加入を義務付ける強制保険で、ノーロス・ノープロフィット原則(損失と利益を出さないように適正な保険料率を定める考え方)で運営されます。
1976年、自損事故保険と無保険車傷害保険の誕生
自動車保険の補償内容はさらに充実していきます。
1976年には、被害者が運転者自身のときも損害補償を受けられるよう、自損事故保険と無保険車傷害保険が誕生しました。
1998年、自動車保険の保険料率と約款の自由化
1998年に「損害保険料率算出団体に関する法律」が改正され、それまで自動車保険料率算定会(現、損害保険料率算出機構)によりすべての損害保険会社において適用されていた、同一の保険料率・同一の約款が自由化されました。これにより、消費者は保険を比較し、ご自身の尺度で選択できるようになりました。
保険料や商品内容が同じ場合、営業所が多く、知名度も高い大手が有利です。そのため、損害保険市場は少数の大手保険会社による寡占状態にありましたが、欧米諸国からの市場開放要求の高まりや、大手保険会社と中小保険会社の格差拡大などが自由化の背景となっています。
2000年以降、ネット自動車保険・テレマティクス保険の誕生
21世紀に入るとインターネットの普及にともない、自動車保険の形も変化していきます。
オンラインで保険契約や保険金請求などの手続きが行えるネット自動車保険や、自動車に通信システムを設置して、走行距離や運転速度といった情報を保険会社が取得し、事故リスクの分析や保険料算定に活かすテレマティクス保険なども誕生しました。
自動車保険について考えてみよう
自動車保険は時代に合わせて変化してきました。補償内容や保険加入の方法も、時代に合わせて変化してきています。
ぜひ自動車保険の大切さについて思いを巡らし、今一度見直してみてはいかがでしょうか。加入時と必要な補償が変わっている可能性もあります。
イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)では、ネット自動車保険ならではのリーズナブルな保険料が特長です。いま必要とする補償内容で、自動車保険のお見積もりをしてみてください。
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監修:新井 智美
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。
資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員