自動車保険料の概算が知りたい!初めての自動車保険、相場や仕組みを知って賢く契約しよう

2024年3月8日(2024年8月16日更新)

車を購入したら、必ず入っておきたいのが任意の自動車保険。しかし保険料の相場がわからず、「予算をいくらにしておけばいいかわからない」「選ぼうとしている保険料が相場より安いのか高いのかわからない」など悩んでいませんか?ここでは、初めての自動車保険の保険料はいくらが相場なのか、また保険料を安くする方法もあわせてご紹介します。

まずは自動車保険の
仕組みを知ろう

まずは自動車保険の仕組みについて知っておきましょう。
自賠責保険と自動車保険の違いや、それぞれの補償内容について解説します。

自賠責保険と自動車保険

自動車に関する保険には、車を所有・運転するうえで法律により加入が義務付けられている「自賠責保険(強制保険)」と、加入は任意である「自動車保険(任意保険)」があります。
自賠責保険は、ディーラーや整備工場などで車検を受ける際、検査料金などとあわせて保険料も加算され、同時に加入することが一般的です。
一方、自動車保険は自身で申し込む必要があります。ディーラーなどの保険代理店を通じて代理店型自動車保険を申し込むか、またはWebサイトなどを通じてネット自動車保険の申し込みを行いましょう。

自賠責保険と自動車保険の
補償内容の違い

自賠責保険と自動車保険は補償内容にも違いがあります。自賠責保険は交通事故による被害者を救済するための保険であり、被害者のケガや死亡、後遺障害など、対人賠償部分のみの補償となります。

自賠責保険の補償額は、最高額4,000万円(後遺障害の場合)であり、補償内容は十分ではありません。加入も補償内容も法律で決められている保険ですので、補償内容を手厚くしたいと考えても、自賠責保険の内容を変更することはできません。

一方、自動車保険においては、契約者が自由に補償内容を決めることができます。自賠責保険の上乗せ補償として、被害者への補償だけではなく、運転者や搭乗者のケガの補償、自身のお車の補償までカバーすることができます。補償の範囲を広げると保険料の負担も増えますが、できるだけ手厚い内容にして加入しておきましょう。

自賠責保険と自動車保険の
補償の範囲

自賠責保険の保険料

自賠責保険は、車種と保険期間によって保険料が定められています。なお、どの保険会社で契約しても金額は変わりません。ここでは、自家用乗用自動車と軽自動車(検査対象車)の保険料を紹介します。

自賠責保険の保険料例(2024年4月1日以降始期契約の場合)

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車種/保険期間 37ケ月 36ケ月 25ケ月 24ケ月 13ケ月 12ケ月
自家用乗用自動車 24,190 23,690 18,160 17,650 12,010 11,500
軽自動車
(検査対象車)
24,010 23,520 18,040 17,540 11,950 11,440

(単位:円)

自賠責保険は車検期間とあわせて加入する必要がありますので、保険期間については車検を依頼する整備工場やディーラーに相談しましょう。

自動車保険の保険料を決める
ポイント(項目)は?

自動車保険の場合、「どのような補償内容にするか」だけではなく、さまざまな項目によって保険料が変わります。
自動車保険の保険料を決める主な3つのポイントを見てみましょう。

前契約の事故の有無

前契約の事故の有無、また件数や種類などにより、自動車保険の等級が決まります。この等級により保険料が変わります。
等級は1等級から20等級まであり、等級によって保険料の割増引率が異なります。一番保険料が安くなるのは20等級です。初めて自動車保険に加入するお車の場合は原則として6等級となり、6等級の割引率で保険料が算出されます。

お車の条件

契約されているお車の車種や型式によって保険料は変わります。また、自家用普通乗用車・自家用小型乗用車・自家用軽四輪乗用車の場合は、お車の型式ごとに料率クラスが設定されており、それによって保険料が算出されます(型式別料率クラス制度)。
なお、走行距離によって保険料を変えている保険会社もあります。走行距離が短いほど事故発生率は低くなるため、保険料が安くなります。

主に運転される方の条件

契約されているお車を主に運転される方の年齢や運転免許証の色などによっても、保険料は変わります。
また、補償される運転者の範囲によっても保険料は変わります。例えば、運転者の範囲を「夫婦」に限定すると、主に運転される方とその配偶者のみが補償の対象となり、運転者の範囲を限定しない場合と比較して、保険料は安くなります。

同様に、運転者年齢条件を設定することによっても保険料が変わります。例えば、「30歳以上補償」とすると、補償の範囲が限定されるため保険料は安くなります。

イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)の保険料が決まるポイント(項目)についての詳しい内容は、こちらからご覧ください。

保険料の決まり方

自動車保険料の相場

自動車保険料の概算を知るためには、主に以下の内容を把握する必要があります。

  • 主に運転される方の条件(年齢・運転免許証の色など)
  • お車の使用目的
  • お車の主な使用地
  • 1年間の走行距離
  • 等級
  • 型式別料率クラス
  • 補償内容(車両保険をつけるかどうかなど)

等級や年齢が保険料の算出にどのような影響を与えるか見てみましょう。

年代別の自動車保険料例

前述のとおり、自動車保険の保険料は様々な条件によって変わります。ここでは、主に運転される方の年齢を例にとり、&eの保険料例をお見せしましょう。

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主に運転される方の
年齢
保険料(一括払)
車両保険
(一般タイプ)あり
車両保険なし
18歳 465,405円 258,411円
21歳 199,234円 115,979円
26歳 124,250円 71,217円
32歳 95,589円 54,285円
42歳 91,406円 51,762円
保険料の算出条件・補償内容の詳細を見る

上記保険料の算出条件

  • 運転免許証の色:18歳の場合、グリーン 18歳以外の場合、ブルー
  • 使用目的:主に日常・レジャー
  • 主な使用地:宮城県
  • 運転者限定:本人限定
  • 運転者年齢条件:18歳の場合、年齢問わず補償 21歳の場合、21歳以上補償 26歳の場合、26歳以上補償 32歳・42歳の場合、30歳以上補償
  • 前年走行距離区分:新規契約区分
  • 料率クラス:車両8対人12対物10傷害11
  • 等級:18歳の場合、6A等級 21歳の場合、6B等級 26歳の場合、6C等級 32歳・42歳の場合、6E等級(いずれも事故有係数適用期間:0年)

【補償内容(保険金額など)】

  • 対人賠償:無制限
  • 対物賠償:無制限
  • 対物超過特約:あり
  • 人身傷害:3,000万円(車内のみ補償)
  • (車両保険ありの場合:
  • 車両保険のタイプ:一般
  • 車両保険:95万円
  • 車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5万円-10万円
  • 車両全損時諸費用特約:あり)
  • 弁護士特約:あり
  • 他車運転特約:あり
  • 被害者救済特約:あり
  • 無過失特約:あり
  • インターネット割引:あり

【その他の算出条件】

  • 主に運転される方(記名被保険者):表に記載の通り
  • 用途・車種:自家用普通乗用車
  • 初度登録年月:平成26年1月
  • 保険開始日(始期日):2024年4月1日
  • 保険期間:1年間
  • 前契約事故:-
  • 前契約保険会社:-
  • 払込方法:一括払
(注)

表示の保険料は、保険開始日が2024年4月1日の&eにおける保険料です。
商品改定などにより、保険料が変更となる場合があります。

このように、10代・20代などの若年ドライバーは特に保険料が高くなる傾向にあります。主に運転される方の年齢だけでなく、運転者年齢条件を設定できない、または保険料が高い条件(21歳以上補償など)になることが影響しています。

等級により変動する自動車保険料

自動車保険料の算出には、ノンフリート等級別料率制度(等級制度)が取り入れられているため、等級に応じて保険料が変動します。

等級制度とは、前契約の有無や、前契約の事故の件数・種類などにより、次契約に適用する等級(1級〜20級)と割増引率が決定され、保険料を割引・割増する制度です。
事故有契約者と無事故契約者ではリスク実態が異なると考えられ、保険料負担を公平にするために導入されています。

例えば、10等級の契約者が事故を起こさなかった場合、翌年は11等級となり、保険料の割引率はアップします。一方、10等級の契約者が対物事故を起こして保険金の支払いを受けた場合、翌年は3等級ダウンするため7等級となり、割引率が下がり保険料が高くなります。

車名ごとの自動車保険料

自動車保険料を決める基準の一つに「型式別料率クラス」があります。型式別料率クラスとは、自家用乗用車(自家用普通乗用車・自家用小型乗用車)や自家用軽四輪乗用車を対象に、自動車の形状・構造・装備・性能など、お車の条件に基づいて区分した料率クラスにより保険料を算出する制度です。

自家用乗用車(自家用普通乗用車・自家用小型乗用車)の場合は1~17、自家用軽四輪乗用車の場合は1~3の料率クラスに区分されます。クラスの数字が小さい方がリスクが低く保険料が安く、クラスの数字が大きい方がリスクが高く保険料が高くなります。

2022年度の&e契約データによると、車名ごとの平均保険料は下表のとおりです。

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車両保険
(一般)あり
車両保険
(限定)あり
車両保険なし
プリウス 56,591円 45,501円 35,776円
フィット 45,612円 38,066円 31,153円
ワゴンR 46,089円 38,118円 31,761円
ムーヴ 43,634円 37,225円 30,414円
タント 44,246円 36,502円 30,781円
セレナ 48,321円 38,705円 29,552円
ヴォクシー 48,222円 38,395円 29,084円
ステップワゴン 48,321円 38,705円 29,552円
フリード 46,498円 36,654円 28,159円
アクア 51,380円 43,136円 34,486円
(注)

当該お車にお乗りの20等級のお客さまの平均保険料(2022年度&e契約データ)。
1円未満の端数を四捨五入。

なお、上記のとおり、車両保険の有無や種類によっても保険料が変動します。車両保険がある契約の方が、車両保険がない契約より保険料が高くなるのが一般的です。
型式別料率クラスは、型式ごとの事故実績に基づいて毎年見直されます。したがって、契約者の事故の有無にかかわらず、保険料が変更される場合があります。

自動車保険料を安くする方法は?

見ていただいたように、若い方の保険料はどうしても割高になってしまいますが、自賠責保険だけでは補償が不十分なため、いざというときの不安が拭えません。保険料の負担は大きくなりますが、任意の自動車保険には必ず加入しておきましょう。
保険料を抑えたい場合は、次のような方法を検討してみてはいかがでしょうか。

ネット自動車保険を検討する

パソコンやスマートフォンから見積もり・申し込みができるネット自動車保険は、代理店型自動車保険よりも一般的に保険料が安く設定されています。
ネット自動車保険の特徴を知りたい方は、こちらをご覧ください。

ネット自動車保険乗り換えガイド

各種割引を活用する

新車割引、ASV割引(自動ブレーキ割引)など、多くの保険会社で導入されている割引の他、ネット自動車保険にはインターネット割引をはじめとした、様々な割引があります。うまく活用することで、保険料を抑えることができるでしょう。
&eの割引については、こちらでご覧いただけます。

各種割引

等級制度を賢く活用する

親族と同居している方は、自動車保険の新規加入時にセカンドカー割引が利用できるかもしれません。セカンドカー割引は、同居の親族が11等級以上の保険契約を持っているなどの条件を満たす場合に適用され、新規加入時の等級が6等級ではなく7等級になります。1等級上がった分、同じ補償内容でも保険料が安くなります。
詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

2台目以降の自動車保険を節約する方法 ~セカンドカー割引を解説~

また、こちらも親族と同居している方に限られますが、お車の変更(車両入替)と等級の引き継ぎを行うことで保険料を安くすることができます。引き継ぐ保険の等級が高ければ高いほど保険料は安くなりますので、初めての自動車保険でも保険料を大幅に安くすることが可能です。
詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

自動車保険の等級は家族間で引き継ぎができる!

補償内容を見直す

補償内容を見直すことで保険料を抑えることもできます。ただし、補償範囲を限定することによって本当に保険が必要になった際に補償されないといったリスクが伴うため、補償範囲の設定には注意が必要です。保険料の安さだけではなく、自身にとって必要な補償を検討し、最適なプランを選ぶことが大切です。

お支払いを月払から一括払に変更する

自動車保険料を月払でお支払いをしている方は、一括払に変更することで保険料を安くできる場合があります。

基本的に自動車保険は1年契約であり、保険料のお支払い方法は主に「月払」か「一括払」のいずれかを選べます。月払は年間保険料を毎月分割してお支払いする方法であり、一括払は年間保険料を1回でまとめてお支払いする方法です。

1ヶ月ごとに分割して支払うよりも一度にまとめて支払う方が、総額が安いのが一般的です。

まとめ

自動車保険の保険料は、主に運転される方の年齢や運転免許証の色、適用される等級、お車の種類や型式などによって決まります。初めて自動車保険に加入する場合、主に運転される方が若い場合は保険料が高くなる傾向にあります。

保険料を安く抑えたいならば、補償内容やお支払い方法を見直し、各種割引や等級制度を活用してみましょう。お車を運転するうえで、自動車保険への加入は欠かせないものです。まずは保険代理店やWebサイトを通じて見積もりを取得したうえで加入への準備を進めましょう。

監修:新井 智美

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員