初めての自動車保険は6等級からスタート?保険料の抑え方や等級の仕組みについて解説

2024年8月16日

任意で加入する自動車保険の保険料は、契約内容や補償内容によって変化し、契約者全員が同じではありません。保険料を決める要素の一つに等級があり、等級が上がるにつれて保険料は割安になる仕組みです。
初めて自動車保険に加入する際、等級は6等級からスタートします。ただし、条件を満たせば7等級や、さらに高い等級からスタートするケースもあります。
今回は、任意加入の自動車保険に初めて契約する際の等級について解説します。

初めての自動車保険は原則6等級からスタート

任意加入の自動車保険にはノンフリート等級別料率制度があり、初めて加入する場合は基本的に6等級からのスタートです。この制度は、前契約の事故実績などに応じて保険料を割引・割増する制度で、等級が上がるほど割引率が上がります。

ノンフリート等級は1等級から20等級までの20段階ありますが、最初は6等級から始まり、20等級になるには最短でも14年かかります。

ただし、条件を満たせば6等級より高い等級からのスタートも可能です。初めての自動車保険で保険料を抑えたいなら、高い等級でスタートできないか確認しましょう。
なお、強制加入となる自賠責保険には等級がなく、事故の有無などで保険料は変わりません。

セカンドカー割引を適用すれば
7等級からスタート

セカンドカー割引は、条件を満たすと2台目以降の車を7等級からスタートできる制度です。ご自身が所有する車でなくても、家族がすでに自動車保険を契約しているなら、セカンドカー割引を適用できる場合があります。

セカンドカー割引の適用には条件がありますが、等級が1つ高い状態でスタートするため、保険料の負担を抑えられます。保険料の負担を抑えたいなら、適用できないか確認しましょう。

セカンドカー割引について詳しくは、以下の記事もご覧ください。

2台目以降の自動車保険を節約する方法~セカンドカー割引を解説~

家族なら等級の引き継ぎが可能

自動車保険の記名被保険者(主に運転される方)を同居家族に変更する場合、保険の等級は引き継がれます。記名被保険者とは、自動車保険を契約したお車を主に運転される方を指します。

記名被保険者について詳しくは、以下の記事もご覧ください。

自動車保険の記名被保険者とは?契約者との違いは?

引き継ぎ可能な家族には条件がありますが、等級の引き継ぎを使えば、初めて主に運転される方となる場合でも、保険料負担を抑えられます。

家族間での等級引き継ぎについて詳しくは、以下の記事もご覧ください。

自動車保険の等級は家族間で引き継ぎができる!

自動車保険の等級が上がる
タイミング

自動車保険の等級は、1年間事故を起こさず、自動車保険の保険金が支払われなかった場合、翌年に1等級上がる仕組みです。また、保険金が支払われても等級に影響しない、ノーカウント事故もあります。

事故を起こしても、自動車保険を使わずに修理した場合は、翌年に1等級上がります。修理費が軽微で済むなら、翌年の保険料を抑えるため、自動車保険を利用せずに修理する人もいます。

事故発生時に自動車保険を使うかの判断について詳しくは、以下の記事もご覧ください。

事故を起こしてしまった!自動車保険を利用するか、自己負担で対応するか?

自動車保険の等級が下がる
タイミング

自動車保険の等級は、事故を起こして保険金が支払われると、翌年に下がります。等級が下がる事故には、3等級ダウン事故と1等級ダウン事故があります。

3等級ダウン事故は、他の車に衝突して車両保険を利用した場合や電柱に衝突して対物賠償を請求した場合などが該当します。1等級ダウン事故は、飛び石でフロントガラスが割れ車両保険を利用した場合や、台風により車が横転し車両保険を利用した場合などが該当します。

自動車保険の保険料を
抑えるポイント

自動車保険に新規加入しようと思い、見積もりを取ったら、意外と保険料が高くて不安になった方もいるのではないでしょうか。

ここからは、保険料を抑えたいときに注意すべきポイントを解説します。

自動車保険の契約内容を
しっかり比較する

自動車保険の保険料は等級だけでなく、契約内容や補償内容によっても大きく変わります。車両保険の金額や補償の有無を見直す、利用者を限定するなど、内容を最適化すれば保険料を抑えられるでしょう。

例えばイーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)の場合、運転者や車種などが同じでも車両保険のタイプが異なるだけで保険料が大きく変化します。

①車両保険一般タイプの場合 ②車両保険限定タイプの場合
81,076円 60,522円
保険料の算出条件・補償内容の詳細を見る

上記保険料の算出条件

  • 運転免許証の色:ゴールド
  • 使用目的:主に日常・レジャー
  • 主な使用地:東京都
  • 運転者限定:本人限定
  • 運転者年齢条件:30歳以上補償
  • 前年走行距離区分:新規契約区分
  • 料率クラス:車両9対人7対物7傷害9
  • 等級:6E等級(事故有係数適用期間0年)

【補償内容(保険金額など)】

  • 対人賠償:無制限
  • 対物賠償:無制限
  • 対物超過特約:あり
  • 人身傷害:3,000万円(車内のみ補償)
  • 車両保険のタイプ:①は一般タイプ、②は限定タイプ
  • 車両保険金額:235万円
  • 車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5万円-10万円
  • 車両全損時諸費用特約:あり
  • 弁護士特約:あり
  • 他車運転特約:あり
  • 被害者救済特約:あり
  • 無過失特約:あり
  • 事故時レンタカー特約:あり
  • 個人賠償特約:あり
  • インターネット割引:あり
  • 新車割引:あり
  • ASV(自動ブレーキ)割引:あり

【その他の算出条件】

  • 主に運転される方(記名被保険者)の年齢:30歳
  • 用途・車種:自家用普通乗用車
  • メーカー名・車名:トヨタ・アクア
  • 型式:MXPK11
  • 初度登録年月:令和6(2024)年6月
  • 保険開始日(始期日):2024年7月13日
  • 保険期間:1年間
  • 前契約事故:―
  • 前契約保険会社:―
  • 払込方法:一括払
(注)

表示の保険料は、保険開始日が2024年4月1日の&eにおける保険料です。
商品改定などにより、保険料が変更となる場合があります。

車両保険一般タイプの場合と車両保険限定タイプの場合で比較して、年間の保険料が2万円以上変わりました。

補償内容を手厚くすれば、事故発生時の安心は大きくなりますが、保険料は高くなります。保険料の負担が重すぎないかを考慮し、適切な補償内容を考えましょう。

また、保険料は補償される運転者の範囲に基づいて算出されるため、補償される運転者の範囲が広いほど、保険料は割高になります。

③運転者は「主に運転される方(30歳)」のみ ④運転者は「主に運転される方(30歳)」と
「配偶者(25歳)」
81,076円 147,774円
保険料の算出条件・補償内容の詳細を見る

上記保険料の算出条件

  • 運転免許証の色:ゴールド
  • 使用目的:主に日常・レジャー
  • 主な使用地:東京都
  • 運転者限定:③は本人限定、④は夫婦限定
  • 運転者年齢条件:③は30歳以上補償、④は21歳以上補償
  • 前年走行距離区分:新規契約区分
  • 料率クラス:車両9対人7対物7傷害9
  • 等級:③6E等級(事故有係数適用期間0年)、④6B等級(事故有係数適用期間0年)

【補償内容(保険金額など)】

  • 対人賠償:無制限
  • 対物賠償:無制限
  • 対物超過特約:あり
  • 人身傷害:3,000万円(車内のみ補償)
  • 車両保険のタイプ:一般タイプ
  • 車両保険金額:235万円
  • 車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5万円-10万円
  • 車両全損時諸費用特約:あり
  • 弁護士特約:あり
  • 他車運転特約:あり
  • 被害者救済特約:あり
  • 無過失特約:あり
  • 事故時レンタカー特約:あり
  • 個人賠償特約:あり
  • インターネット割引:あり
  • 新車割引:あり
  • ASV(自動ブレーキ)割引:あり

【その他の算出条件】

  • 主に運転される方(記名被保険者)の年齢:30歳
  • 用途・車種:自家用普通乗用車
  • メーカー名・車名:トヨタ・アクア
  • 型式:MXPK11
  • 初度登録年月:令和6(2024)年6月
  • 保険開始日(始期日):2024年7月13日
  • 保険期間:1年間
  • 前契約事故:―
  • 前契約保険会社:―
  • 払込方法:一括払
(注)

表示の保険料は、保険開始日が2024年4月1日の&eにおける保険料です。
商品改定などにより、保険料が変更となる場合があります。

補償される運転者を限定すれば保険料を抑えられるため、車の利用状況に合った契約内容の選択が大切です。

セカンドカー割引や
等級の引き継ぎを活用する

セカンドカー割引や等級の引き継ぎを利用すれば、等級が高い状態で自動車保険を始められます。等級が高いほど保険料は安くなるため、費用負担を抑えられます。

ただし、割引の適用や等級引き継ぎには条件があるため、誰もが利用できるわけではありません。

条件にあてはまるなら、有利な状態で自動車保険を始められる制度を活用しましょう。

保険会社が用意する割引制度を活用する

自動車保険を提供する保険会社では、さまざまな割引制度を用意しています。内容は保険会社ごとに異なりますが、各種条件を満たすと保険料の割引が適用される自動車保険があるので上手く活用しましょう。

例えば、&eでは、以下の割引を用意しています。

横にスクロールできます

インターネット割引 インターネットで申し込んだ場合に適用
新規契約は10,000円(12回払の場合は1回あたり833円)、
継続契約は2,500円(12回払の場合は1回あたり208円)割引
新車割引 ご契約のお車が自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、
自家用軽四輪乗用車のいずれかで、保険開始日の属する月が
初度登録年月の翌月から49ヶ月以内の場合に適用
ASV(自動ブレーキ)割引 ご契約のお車が自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、
自家用軽四輪乗用車のいずれかで、
自動ブレーキ装置を搭載している場合に適用
(型式の発売年月が保険開始日の属する年の
3年前の4月以降である場合に限定)
セカンドカー割引 2台目以降の車の自動車保険を新しく契約する場合に、
条件を満たすと適用
紹介割引 &eの契約者の方から紹介を受けて専用URLを経由し、
新しく&eを申し込んだ場合に適用
1,200円(12回払の場合は1回あたり100円)割引

7等級から始まるセカンドカー割引の他に、各種割引を組み合わせれば、保険料の負担をより抑えられるでしょう。

ネット自動車保険を選ぶ

代理店型自動車保険は、保険会社との間に代理店が入ってサポートしてくれる反面、保険料は割高になりやすい傾向があります。

ネット自動車保険は代理店のサポートを受けられませんが、代理店とのやり取りを省いてネットで直接手続きでき、保険料を抑えられます。

両者のメリット・デメリットを理解したうえで、保険料を抑えたいならネット自動車保険を選びましょう。

ネット自動車保険について詳しくは、以下の記事もご覧ください。

自動車保険、代理店型自動車保険とネット自動車保険の違いを知ろう

自動車保険の保険料は一括払を利用する

保険料を一括払すると、一度にまとまった金額が必要ですが、分割手数料がかからないため、月払よりも支払う保険料の総額を抑えられます。

保険料の月払について詳しくは、以下の記事もご覧ください。

自動車保険料は月払できる!一括払とどちらがおトク?

自動車保険を使う事故を起こさない

等級の引き継ぎや各種割引を活用して保険料を抑えても、自動車保険を使う事故を起こすと等級が下がる場合があり、等級が下がると保険料は高くなります。等級は年に1等級ずつ上がりますが、下がるときは事故ごとに1等級または3等級下がります。

せっかく高い等級で自動車保険をスタートさせても、事故を起こしてしまったら、翌年に等級が下がり、保険料は高くなります。常に事故を起こさない運転を心がけて等級を上げ、将来の保険料を抑えることも大切です。
&eでは、安全運転に役立つアプリでの事故を起こさないためのサポートも用意しています。

また、無事故・無違反を続けていればゴールド免許になり、さらに保険料を安くできるメリットもあります。

ゴールド免許の保険料について詳しくは、以下の記事もご覧ください。

ゴールド免許だと自動車保険の保険料が安くなるって本当?

まとめ

初めて自動車保険に加入するとき、等級は6等級からスタートします。ただし、セカンドカー割引や等級の引き継ぎを利用すれば、等級が高い状態で始まるため、保険料を抑えることが可能です。

等級は1年間無事故で自動車保険を使わなければ1つ上がりますが、事故を起こした際は事故の種類に応じて等級が下がるため、注意しましょう。

保険料を抑えたいなら、車の利用状況に合った契約内容を選択し、各種割引制度やネット自動車保険、保険料の一括払を利用しましょう。また、事故を起こさないよう安全運転を心がけ、等級ダウンを防止することも大切です。

監修:新井 智美

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員