EV(電気自動車)の自動車保険とガソリン車の自動車保険に違いはある?保険料を安く抑える方法も解説
2024年11月13日
近年、持続可能な社会を目指すSDGsの意識が国内外で高まっています。
クリーンエネルギーを用いて走行するEV(電気自動車)の普及を政府も促進しており、EVには公的な補助制度や税制の優遇が設けられています。脱炭素社会に向け、ガソリン車からの切り替えを検討している方も多いのではないでしょうか。
EVに乗り換えるにあたり、自動車保険の保険料やサービス内容がガソリン車と異なるのかは気になるところです。
本記事では、EVとガソリン車の自動車保険の比較や、保険料を抑えるためのコツを解説するので、ぜひご一読ください。
EV(電気自動車)で加入する自動車保険は、ガソリン車と同じく自賠責保険と任意保険
EVは「Electric Vehicle」の略称です。ガソリンを燃料とするのではなく、電気を充電して走行する電気自動車を指します。
EVで加入する自動車保険は、ガソリン車と同様です。「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」と「任意保険」の2種類があります。
自賠責保険は、すべての自動車・原付・バイクに加入が義務付けられている強制保険です。自賠責保険に未加入の自動車は原則として公道を走行できません。また、車検を受けることもできません。
任意保険は、名称のとおり自動車の所有者が任意で加入する保険です。自動車に関連する損害が発生した場合の、自賠責保険ではカバーできない部分に備えます。
自賠責保険と任意保険の違いについて詳しくはこちらをご覧ください。
ここからは「自賠責保険」と「任意保険」それぞれについて詳しく見ていきましょう。
自賠責保険
自賠責保険は、加入する自動車の車種や用途、保険期間などにより保険料の設定が異なりますが、EVとガソリン車での違いはありません。
また、補償内容にも差はありません。自動車による事故が発生して他人が死亡またはケガをした場合に、相手方に対して損害賠償金が支払われます。
保険金の限度額は、以下の通りです。
保険金支払限度額(被害者1名あたり) | |
---|---|
ケガによる損害 | 最高 120万円 |
後遺障害による損害 | 最高 4,000万円 |
死亡による損害 | 最高 3,000万円 |
自賠責保険では、運転手ご自身のケガおよび、自動車や物の修理・弁償代などは補償されません。また、補償内容は契約者の意思で変更することはできません。
自賠責保険の補償内容は充実しているとは言えないため、自賠責保険でカバーできない損害に備えるのが任意保険です。
任意保険
任意保険の保険料は保険会社によって異なりますが、保険料率の区分や適用方法は、EVもガソリン車と同じです。
任意保険では、EVに関するトラブルをカバーする特約やサービスを用意している保険会社もあります。カバーされる費用の例は以下のとおりです。
- EVの充電が切れた場合に、給電業者がかけつける際の費用
- EVの充電が切れた場合に、給電ができる設備まで搬送するレッカー費用
- 自宅などに設置した充電設備に損害が発生した場合の修理費
上記は一例であり、特約やサービスを利用できる条件は保険会社により異なります。EV特有の特約やサービスを希望している場合は、保険会社に事前に確認しましょう。
イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)でのEV特有のサービス
イーデザイン損保の自動車保険&eでは、ロードサービスに以下のサービス内容が含まれます。
- EVの充電が切れた場合に、レッカーサービスの内容に基づき、最寄りの充電施設などへ搬送する費用
お出かけの際などに万一電欠してしまっても安心です。なお、上記のサービスを利用できるのは保険期間中に1回のみです。
EV(電気自動車)の保険料を抑えるには?
先述した通り、EVとガソリン車では保険料率の区分や適用方法は変わりません。EVの任意保険(自動車保険)の保険料を抑えるポイントもガソリン車と同様、以下の2点を意識しましょう。
- 複数の任意保険(自動車保険)の見積もりを取る
- ネット自動車保険(ダイレクト型・通販型)を検討する
それぞれ詳しく解説します。
任意保険(自動車保険)に加入するときは、複数の保険会社で見積もりを取って比較しましょう。
見積もりを依頼する際は、補償される運転者の範囲や補償のタイプ、保険金額などがご自身に合った内容かどうか、慎重な検討が必要です。保険金額や免責金額などの条件を見直すことで、保険料を抑えられる場合もあります。
自動車を複数所有している場合は、他の任意保険(自動車保険)との補償の重複にも気を付けなければなりません。「個人賠償特約」や「弁護士特約」といった重複しやすい特約には特に注意しましょう。「補償内容が同様の保険契約」が他にある場合、補償が重複し、お支払いいただく保険料が無駄になることがあります。
補償の重複をなくして保険料を抑える方法について、詳しくはこちらをご覧ください。
ネット自動車保険は、保険会社と直接やりとりするため中間コストがかからず、代理店を通して契約するより保険料が安くなっています。保険料を抑えたい方にはネット自動車保険がおすすめです。
ネット自動車保険である&eでは、インターネットでの新規申し込みで10,000円※の割引があります。
他にも新車や2台目以降の契約でも割引があるので、ぜひご検討ください。
12回払の場合は1回あたり833円。なお、前契約(中断しているご契約を含みません)の引受保険会社がイーデザイン損保であるご契約の場合、割引額が異なります。
EV(電気自動車)は維持費(燃費・税金)が安く抑えられる
EVの任意保険を解説してきましたが、「保険料以外の維持費が気になる」という方も多いのではないでしょうか。
EVはガソリン車と比較して車両の購入価格が高い傾向にありますが、維持費は安く抑えられる場合が多い点がメリットとして挙げられます。一般的に、走行距離が同じであればEVの燃費はガソリン車より安く済みます。
また、EVは税制の優遇も受けられます。EVで受けられる主な優遇は以下のとおりです。
エコカー減税 | 自動車重量税が免税・軽減される |
---|---|
グリーン化特例 | 自動車税・軽自動車税が軽減される |
環境性能割 | 自動車を取得したときにかかる税金が免税 される |
出典:国土交通省「自動車関係税制について (エコカー減税、グリーン化特例 等)」
上記の3項目は国による免税・減税ですが、独自に優遇措置や助成制度を設定している自治体もあります。EVの利用にあたっては、ご自身が居住している地域で受けられる支援がないか、確認してみましょう。
ただし、税制の優遇は期間が決まっている場合もあるため、購入のタイミングに注意が必要です。利用したい制度の条件は事前に把握しておき、あらかじめ納期がどのくらいか聞いておくなどスケジュールに余裕をもって購入を進めるとよいでしょう。
まとめ
EVでは、ガソリン車と同様に自賠責保険と任意保険に加入できます。自賠責保険では、保険料・補償内容ともにガソリン車との違いはありません。一方、任意保険では保険会社によりEVの特約やサービスがセットできる場合があります。
EVの任意保険の保険料を安く抑えるためには複数社から見積もりを取ったり、ネット自動車保険を検討したりするとよいでしょう。
監修:新井 智美
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。
資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員