自動車保険の中断証明書とは?等級引き継ぎの条件や注意点を解説
2025年1月20日
自動車を廃車または譲渡する、もしくは海外転勤のためしばらく自動車に乗る機会がないという場合は、解約または満期後、手続き可能な期限内に、加入している保険会社から中断証明書を発行してもらいましょう。中断制度を利用すると、契約を一旦中断し、自動車保険を再契約する際に、中断した契約の等級を引き継ぐことができます。
本記事では、中断証明書の発行条件や発行の流れ、再契約時の注意点について解説します。
自動車保険の中断証明書とは?
自動車保険の中断証明書とは、保険契約を中断する際に発行できる証明書です。
自動的には発行されないため、ご契約者の方が保険会社に発行を依頼する必要があります。
自動車保険の中断証明書の発行条件
自動車保険の中断証明書を発行するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。要件は保険会社によって異なるため、中断制度を利用する前に確認しておきましょう。
ここでは、イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)の場合の要件について解説します。
中断する契約の次の契約の等級が7~20等級であること
中断する契約の解約日(または満期日)に次の契約を締結すると仮定した場合の等級が7~20等級であるときに、中断証明書を発行できます。中断する契約に事故がある場合は、その件数・事故の種類に応じて減じた等級となります。
(例)
現在の契約の等級が6等級で保険期間中に事故がなく、満期をもって中断する場合
→次の契約の等級は1等級進んで7等級となるため、中断証明書を発行できます。
現在の契約の等級が7等級で、保険期間中に3等級ダウン事故が1件あった場合
→次の契約の等級は4等級となるため、中断証明書を発行できません。
手続き可能な期限内であること
中断証明書発行のお申し出日が中断する契約の解約日(または満期日)の翌日から起算して5年以内である必要があります。
保険会社によっては、13ヶ月以内としているところもありますので注意しましょう。
中断する事由が以下(1)、(2)のいずれかであること
中断する契約の保険期間中に、以下のいずれかの事由が発生している
- ご契約のお車を廃車、売却(譲渡)またはリース会社へ返還した
- ご契約のお車が盗難された
- 他のご契約のお車の廃車などに伴い、ご契約のお車を他の契約に車両入替した
- ご契約のお車が一時抹消登録された
- ご契約のお車が車検切れとなった
契約者または主に運転される方が海外渡航する場合で、解約日(または満期日)が、契約者または主に運転される方の出国日の6ヶ月前の日以降にあり、かつ、中断する契約が帰国日または再入国日前に締結した最後の契約である
自動車保険の中断証明書の発行の流れ
自動車保険の中断証明書を発行してもらう手続きは、保険会社によって異なります。まずは加入している・加入していた保険会社に相談ください。
ここでは、&eでの中断証明書の発行の流れをご紹介します。
1.自動車保険を解約する(または継続しない)
中断証明書は、解約日(または満期日)の翌日以降に発行できます(発行は事前にお申し出いただけます)。そのため、解約手続きが必要な場合、まずは自動車保険の解約手続きを行いましょう。なお、過去日付に遡っての解約はできません。お車を手放すことが決まったら、手放す日が解約日となるように手続きを行いましょう(手放す日が解約日より後になると中断証明書を発行できませんのでご注意ください)。
&eの契約解約方法を知りたい2.中断証明書の発行を依頼する
&eでは、インターネット上のマイページから中断証明書の発行申請が可能です。中断証明書は、申請内容を確認後、解約日(または満期日)から1週間程度で郵送にてお届けします。
&eの中断証明書の申請方法を知りたい自動車保険の中断証明書を使って契約する際の注意点
中断証明書を使って、自動車保険を契約する際の注意点をご紹介します。
中断証明書があれば
最大10年は等級を引き継げる
&eでは、中断証明書があれば最大10年は等級を引き継げますが、引き継げるのは新契約の保険開始日が「旧契約の満期日(解約の場合は解約日)」または「出国日」から10年以内※の日である場合です。
- 「旧契約の満期日(解約の場合は解約日)」または「出国日」のいずれか遅い日の翌日から起算して数えます。
- 旧契約の保険会社がイーデザイン損保以外である場合、当該保険会社が発行する中断証明書に記載された有効期限内(有効期限が10年超の場合は10年以内)である必要があります。
他の保険会社の等級も引き継げる
自動車保険の中断証明書は、元々契約していた保険会社とは別の保険会社でも有効です。複数の保険会社を比較してから契約することができます。
なお、新しいお車を取得した場合、取得してから一定期間が経過すると中断証明書があっても等級を引き継げない可能性があるため注意しましょう。
運転をしないときは中断証明書を取得しておこう
しばらく運転する予定がないときでも、将来はどうなるかわかりません。自動車保険の中断証明書の発行要件を満たしているなら、中断証明書を取得しておきましょう。
中断証明書があることで、再度自動車保険に契約する際に、新規契約よりも高い等級が適用されるようになります。同条件で契約する場合、等級が高くなるほど割引率が高くなるため、自動車保険の保険料を抑えられます。
監修:金子 賢司
立教大学法学部卒業後、食品卸大手三菱食品株式会社に10年間勤務。業務中に事故にあい、企業の社会保険に興味を持ったことを機にFP資格を取得。現在は独立系FPとして、個人相談、金融関係コラムの執筆、NISAやiDeCo、企業型確定拠出年金のセミナーを中心に活動している。
資格情報: CFP®