自動車保険に車のナンバープレート変更は関係する?通知義務と必要なお手続きを解説
2024年10月25日
引っ越しで住所が変わったときや車を買い替えたときなどに、車のナンバープレート(登録番号標または車両番号標)を変更する場合があります。
車のナンバーは、車種や用途などに合わせて車一台ごとに登録される重要な情報です。しかし、ナンバープレートを変更した場合に、契約する自動車保険でどのようなお手続きをしなければならないのか、よく知らない方もいるでしょう。
そこで、車のナンバープレートに関する基本的な知識とともに、ナンバープレートの変更がある場合に必要な自動車保険のお手続きを詳しく解説します。
そもそも車のナンバープレートとは?
車のナンバープレートとは正しくは普通車の「自動車登録番号標」・軽自動車の「車両番号標」のことで、新車登録や中古車の所轄変更などの際、申請先の運輸支局などで交付されます。車を識別するために付与されるものであり、車一台ごとにナンバー(登録番号または車両番号)は異なります。
車のナンバーは、次のような文字列や数字で構成されています。
- 地域名(管轄する運輸支局など)
- 地域名横の2~3桁の数字とアルファベット※(自動車の分類番号)
- ひらがな(自家用と事業用の区別)
- 4桁以下の数字
車のナンバーは、車検証の「自動車登録番号又は車両番号」欄または「車両番号」欄にも記載されています。
2018年より、分類番号として視認性の高いアルファベット10文字(A・C・F・H・K・L・M・P・X・Y)が導入されています(3桁の分類番号のうち下2桁に利用可能)。地域により交付状況は異なります。
ナンバープレートの変更は自動車保険の通知事項にあたる
自動車保険を含む損害保険の契約者の方には、保険会社に対する「告知義務」と「通知義務」があります。イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディ―)では次のように定義されています。
告知義務 | 保険契約者、主に運転される方およびお車の所有者には、危険に関する重要な事項のうち、当社が告知を求めたもの(告知事項)について、事実を告知する義務があります。 |
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通知義務 | 保険契約者や補償の対象となる方には、告知事項のうち、当社が通知を求めたもの(通知事項)の内容に変更が生じたときに当社に遅滞なく通知する義務があります。 |
告知義務・通知義務および告知事項・通知事項は、保険会社によって異なります。
車のナンバー(登録番号または車両番号)は、一般的に告知事項にあたり、ナンバーの変更は通知事項に該当することがほとんどです。
通知義務を怠ると自動車保険の契約はどうなる?
通知事項に該当する変更事実が発生したら、保険会社へすみやかに連絡しましょう。故意または重大な過失によって通知義務が果たされなければ、契約を解除される、保険金を払ってもらえないなど思わぬ事態につながるおそれもあるため注意しましょう。
&eではWebサイトのマイページやお客さまサポートセンターで変更を受け付けています。
ナンバープレートの変更が必要となるケース
車のナンバープレート変更はどのようなときに必要となるのか、具体的なケースを確認しておきましょう。
引っ越しで住所が変わったとき
引っ越しなどにより車の所有者の住所が変わると、運輸支局などで「移転登録」または「変更登録」のお手続きをします。その際、引っ越しにより管轄する運輸支局などに変更があれば、車のナンバープレートも変わります。
ただし、同じ管轄内での引っ越しであれば、「移転登録」のお手続きをしても、ナンバープレートの変更はされません。管轄が変わるかどうか、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
ナンバープレートの紛失や盗難があったとき
ナンバープレートの紛失、盗難、または識別できないほどの破損がある場合、公道を走行できません。同一番号での再交付ができないため、ナンバーの変更が必要です。
希望するナンバーに変更するとき
車の番号(4桁以下の数字部分)を希望する番号に変更したい場合は、「希望ナンバー制」を利用することで、希望する番号へ変更することができます。
ナンバープレートの変更にともなう自動車保険でのお手続き
車のナンバーの変更は、多くの自動車保険で通知事項の対象となっています。ナンバープレートが変わったら、契約する保険会社で契約内容の変更手続きをすみやかに行いましょう。
車検証など新しい車のナンバーを確認できる書類が手元にあれば、スムーズにお手続きを進められます。
自動車保険の変更手続きは、保険会社側の事務手続きを終えると、お手続き当日にも完了します。なかには、お手続き日以降であれば変更する日付を指定できる保険会社もあり、&eでは、お手続き日以降1ヶ月以内の日付を指定して変更することができます。
自賠責保険でもナンバープレートの変更手続きが必要
車のナンバープレートが変わると、任意の自動車保険だけではなく、自賠責保険でも契約内容の変更手続きが必要です。
自賠責保険は、保険会社や代理店、車の販売店、整備工場、運輸支局など、さまざまな場所で取り扱われています。自賠責保険の変更手続きは契約されている損害保険会社で行います。自動車保険の契約内容変更と並行して、ご自身の自賠責保険の引受保険会社を確認しておきましょう。
まとめ
車のナンバー変更は保険会社の定める通知事項に当たることが多く、通知を怠ると補償を受けられなくなる可能性や契約解除に至るおそれもあります。引っ越しなどによりナンバープレートが変わった際は、すみやかに保険会社に連絡しましょう。
監修:熊谷 正和
2005年7月に埼玉県川口市で開業後、ファイナンシャルプランニングを軸としたコンサルタントとして活動。開業当初から、個人のライフプランから法人向けのコンサルティングまで幅広く支援。得意分野は、住宅ローン・保険・資産運用などのライフプラン相談。毎年数百世帯、述べ2,000世帯を超えるライフプラン相談の実績を持つ。